Maddenでも再現できないような動きを見せたRBを表現するのには、異次元の存在という表現がしっくりくる。
Finally、デトロイト・ライオンズがバリー・サンダースの銅像を建てることになった。
そしてこれは、彼にとって2番目の銅像となる。
The Detroit Lions announced today that Pro Football Hall of Fame RB Barry Sanders will have his legacy permanently cemented in Detroit with a statue at Ford Field.
記録にも記憶にも残る選手
どれだけの数字を積み重ねても全く記憶に残らない選手がいる一方で、どんな記録を残したかは覚えていなくても、そのプレイが鮮烈に記憶に残る選手もいる。
バリー・サンダースは、その両方で、しっかりと足跡を刻んでいる。
あっけなく引退していなければ、本当に前人未到の記録を打ち立てたに違いない。
当然のようにNFL100年のベストメンバーに選出された彼は、偉大なゲームチェンジャーのひとりにも選出されている。
Running Back
BARRY SANDERS“Barry Sanders made great athletes look average.” – Howie Long
情報源: NFL 100 | NFL.com
フィールドの全てをPOAに変えてしまう
「彼がボールを持てば、フィールドのすべてがポイント・オブ・アタックになる。右のCBからNT、そして左のCBまで…」
そう表現したのは、ビル・ベリチックだ。
POAがデザイン通りに空いていれば、あっという間にエンドゾーンまで駆け抜けてしまう。
しかし、POAが塞がっていても、想像もつかないようなルートを切り拓いてゲインを重ねていってしまう。
そのときに見せるのが、あの特徴的なジュークだ。
あたり強いイメージは感じさせないのに、安易に倒れないのは、強いバランス感があるからだろう。
そして、真後ろにカット切ったんじゃないかと思わせるほどの減速と急加速のコントロール。
今風の表現で言えば、彼だけが流れる時間も重力も違うブレットタイムの中にいるようだ。
異次元の存在と表現するしかないのは、そんなシーンを見せつけられてきたからだ。
東京でハイズマン受賞
今となっては幸運なことに、コカコーラボウルでオクラホマ州立大学が来日するおかげで、バリー・サンダースをシーズンを通して見ることができた。
リターナーでもあった彼は、スクリメージライン以外からも容赦なくTDを量産していた。
余談ながら、チームメイトのWRがドロップしていなければ、あのオクラホマ大学にも逆転勝利を果たしていたはずだ…
Anyway、東京滞在中にハイズマン賞の発表が行われ、見事に受賞すると、ハイズマン受賞者が直後に東京ドームで公式戦に出るという、2度と見られないシーンを披露してくれた。
最初の銅像
母校オクラホマ州立大学は、ひと足早く、昨年、ひとつ目の銅像を建立した。
現在のHCは、なんとマイク・ガンディ!
バリー・サンダースのチームメイトであり、直接ハンドオフしていたQBだ。
I never get tired of @BarrySanders stories.
Mike Gundy on Sanders being honored with a statue this weekend, how many yards he would run for in today's game and his favorite Barry highlight run. pic.twitter.com/bBZ7DocjqR
— Cayden McFarland (@caydenmc) November 8, 2021
現在の、フィールドを広く使えるコーチの戦術があれば、バリー・サンダースなら4,000ヤードは走れるだろうとマイク・ガンディはコメントしている。
まさに記録も異次元を超越する高次元の存在だったわけだ。
しかし、記録は、数字は二の次だ。
「ジム・ブラウンの前にジム・ブラウンなく、ジム・ブラウンの後にジム・ブラウンなし」
最初にこのフレーズを聞いたとき、なんだかピンと来なかった。
しかし、今ではよくわかる。
不世出の、オンリーワンの存在に出会ったとき、人は、そのようにつぶやいてしまうのだ。
たとえこの先、どれほどの数字を積み重ねるRBが登場しようとも、バリー・サンダースは僕にとって、オンリーワンの存在であり続けるのだろうね…
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