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NFL 2023 Electric Lions 「ゲームボールはGMに」

チームが実に32年ぶりのプレイオフでの勝利を飾ったとき、HCにゲームボールを渡された男はユニフォームを着ていなかった。
なぜなら、その男は、GMのブラッド・ホームズだったからだ。

ブラッド・ホームズ

チーム創立90周年の今年、デトロイト・ライオンズは32年ぶりにプレイオフで勝利を挙げ、初めてのスーパーボウル出場に向けて、あと1勝というところまで漕ぎ着けた。
その全ては、このロサンゼルスからやってきた男によって始まった。

あの衝撃のトレードも、今にして思えば、彼のエクセレントな取引だったことがよくわかる。

今年のラムズのキーワードは、なんと言ってもALL INだろう。本拠地開催のスーパーボウルをなんとしてもモノにしようとする執念は、衝撃のトレードから始まった。

情報源: ロサンゼルス・ラムズ 「スーパーボウルへの道程を振り返る動画を公開」 | ALOG

結果的に取引はWin-Winだった。
本拠地開催のスーパーボウルにALL INの賭けに出たロサンゼルス・ラムズは、見事に#VLTを手に入れた。
ドラフトの高順位指名権を豊富に手に入れたデトロイト・ライオンズは、それを元手に3年がかりでチームを生まれ変わらせた。

頼れるフランチャイズQBを持って行かれたデトロイトは、悲嘆に暮れた。
その取引内容が、ジャレッド・ゴフの評価を低くした。
てっきりライオンズは、手に入れたドラフト指名権で、高順位でQBを指名すると思っていた。
だが、ブラッド・ホームズはQBにはノータッチで、豊富な指名権はその他のポジションの拡充に充てられた。
何を隠そう、ロサンゼルス・ラムズでジャレッド・ゴフを全体1位指名したのは、ブラッド・ホームズなのだ。
彼は、ジャレッド・ゴフへの信頼をなくしていなかった。

ブラッド・ホームズは、現在のラムズには欠かすことのできないアーロン・ドナルドやクーパー・カップもドラフトで指名している。
そうしてライオンズでも、有能な即戦力をドラフトで獲得していく。

2021 WR アモン-ラ・セント・ブラウン

この年、4thダウンのGo for it!の心意気とトリックプレイの数々でしぶとく戦ってきたライオンズだが、13週目まで勝利を上げることができなかった。
そして、残り時間0秒で逆転のTDパスをキャッチしたのが、WR アモン-ラ・セント・ブラウンだった。
彼のNFL初のTDは、すべてのファンにとって劇的なものとなった。

あの劇的なラストプレイのスナップ直前、Next Gen Statsが算出した勝率は、わずか5.5%に過ぎなかった。

情報源: NFL 2021 ライオンズ 勝率わずか5.5%のラストプレイ | ALOG

勝利後のロッカールームで、オーナーのシーラ・フォード・ハンプ女史が静かに流す涙がインプレッシブだった。
我らが太陽神、アモン-ラ・セント・ブラウンは、それ以来チームを支え続けている。

2022 DE エイダン・ハッチンソン

一気に9勝とジャンプアップした2022シーズン。
最終週、勝てばプレイオフに進める同地区のグリーンベイ・パッカーズに、勝ったとしてもシーズン終了となるライオンズが勝ち切った姿がインプレッシブだった。
新しくOCに就任したベン・ジョンソンの作り上げた強力なラン攻撃が、その原動力となった。

今年オフェンスが様変わりしているのは、昨年までのアンソニー・リンに代わってOCに就いたベン・ジョンソンの力が大きいのだろう。すでに彼は選手からの強い信頼を勝ち取っている。

情報源: NFL 2022 祝!ライオンズ初勝利「リーグトップのラン平均7.2ヤード」 | ALOG

そして、この年、全体2位指名で加入したのが、DE エイダン・ハッチンソン。
順調に成長を続ける彼は、なんと49ers ニック・ボーサを上回るパフォーマンスを見せるようになっている。

そして2023

昨年チームの飛躍を支えたTEのT.J. ホッケンソンや、RB ディアンドレ・スイフトがチームを離れた。
大丈夫なの?と思っていたら、代わって入ったルーキーたちは、それを補ってなお余りある者たちだった。

RB ジャミール・ギブス

今シーズン、ランによるTDを一本も許していないタンパベイ・バッカニアーズの守備。
それに対して、一発でエンドゾーンに持ち込んで見せたRB ジャミール・ギブスのランはインプレッシブだった。

TE サム・ラポルタ

今シーズンのタイトエンドの日にTOP 10ランキングで見事に1位に輝くと、AP通信によるオールプロのセカンドチームに選出された。

It’s National Tight Ends Day. It’s a holiday.というわけで、今年もタイトエンドの日が10月22日にやってくる。Next Gen Statsは、毎年、この時期にタイトエンド TOP 10ランキングを発表する。今年は、なんとルーキーTEが第1位にランクイン!

情報源: NFL 2023 Next Gen Stats タイトエンド TOP 10ランキング week 6 | ALOG

ファーストチームに選出されている49ers ジョージ・キトルと同じアイオワ大学の出身。
NFC Championshipは、TEUの先輩後輩の対決となるわけだ。
なかなか破られないマイク・ディトカの記録に肉薄している点も注目だ。

スロットCB ブライアン・ブランチ

ライオンズのルーキーとして56年ぶりにデビュー戦でピック6を記録したブライアン・ブランチ。
オフェンスにドライブされながらも、要所でサックとターンオーバーで断ち切るライオンズ守備の、もはや中核と言っていい存在だ。

しかし、今にして思えば、開幕戦のチーフス相手の勝利は、アップセットと呼ばれる類のものではなかったのかもしれないね。
もしスーパーボウルで対戦して勝利を挙げたら、シーズンの最初と最後で同一の相手に勝利を挙げたチームとなる。
そんなチーム、今まで存在したことがあるのだろうか…

NFL 2023シーズンの正真正銘の口開けのオープナーは、アップセットで始まった。またまたアップセットという勿れ。敗れたのは、一番新しいリングを手に入れたばかりのカンザスシティ・チーフス。見事勝利を飾ったのは、なんと、あのデトロイト・ライオンズ。しかもそれは、ミズーリ州の王国の領地で成し遂げられたのだ。

情報源: NFL 2023 デトロイト・ライオンズ 22.9%のpick-6 | ALOG

THAT’S TWO

さて、ここまで書いてきて、冒頭の文章を訂正しなければならない。
あと1勝で初めてのスーパーボウル出場と書いたが、ダン・キャンベルはそんなふうには考えていない。

あと2勝だ!
プレイオフで強敵に勝つことの困難さを語りながら、彼は明確に、あと2勝だ!
そう語りかけている。
それはスーパーボウルの出場自体がゴールなのではなく、そこで勝つことこそがゴールだと明確に宣言しているのだ。
まさに、#AllGrit!

バッカニアーズ戦の最後のドライブ、残り時間とヤードを考えて、てっきり引いて守るのだと思っていた。
しかし、2nd downに躊躇なく2枚のブリッツが入った。
結果それは、LB デリック・バーンズ の試合を決めるインターセプトにつながった。
彼もまた3年目の選手。
3年目で初めて記録したインターセプトは、デトロイトの人々の記憶に長くとどまるものになるのだろうね。
あの時の歓声は、まさにElectricそのものだった…

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