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NFL 2023 NY ジェッツのスローバックユニフォームが懐かしすぎる理由

ニューヨーク・ジェッツも、スローバックのユニフォームを公開した。
その名も、レガシー・ホワイト。
ニューイングランド・ペイトリオッツのロビー活動のおかげでNFLのヘルメットルールが緩和されて以来、様々なチームがスローバックユニフォームを発表している。
しかし、もっとも「あの頃」を呼び起こしてくれたのは、このジェッツのユニフォームだ。
そして僕は、ひとりのコーチのたたずむ姿を思い出していた。

The Jets are bringing back a modernized version of arguably the franchise’s most popular uniform combination that will take fans back to the “Sack Exchange Era.” The team revealed its “Legacy White” throwback uniforms— a design reminiscent of the uniforms worn by the team from 1979-89 — this morning.

情報源: New York Jets: Jets Legacy White Throwback Uniforms

あの頃の選手たち

当時のニューヨークでは、もうひとつのチーム、パーセルズのジャイアンツが、LT擁するLB corpsの活躍で圧倒的な戦績を誇っていた。
でも、この頃のジェッツは、何か好きなチームだった。
正直なところ、とりわけ目を引くようなデザインでもないスローバックのユニフォームにココロがときめくのは、それを着用していた選手たちがインプレッシブだったからだ。

ジョー・クレッコ、マーティ・ライオンズ、マーク・ガスティーノ、フリーマン・マクニール、ウェスリー・ウォーカー、アル・トゥーン…
あのころ、僕に強烈な印象を残した面々は、みんなリング・オブ・オナーになっているのか。

本当に弾むように走っていた、十字面のRB フリーマン・マクニール。

しなやかな動きの長身WR アル・トゥーン。
彼がパスキャッチを見せるたび、スタジアムは「トゥーン!」の名前を大合唱だった。

そしてQB ケン・オブライエン。
ディビジョン2のカリフォルニア大学デービス校の出身ながら、インターセプトの少ないシュアなQBだった。
あのダン・マリーノと投げ合って、2人で1試合927ヤードのNFLレコードを達成した。
あの頃、もしNext Gen Statsがあれば、彼のPassing Scoreは一体いくつになっていただろう?

1986 – Jets vs. Dolphins
WEEK 3 – MARINO VS. O’BRIEN DUEL
“Man, I threw six touchdowns in a game, and we lost.” – Dan Marino

情報源: NFL 100 | NFL.com

そしてTEは、ミッキー・シュラーだった。
普段は着用しない極太のネックロールををつけて、怪我を押して強行出場した姿を覚えている。
キャッチの後にヒットを受けるたび、グッと堪えている姿が印象的だった。

Tight end Mickey Shuler, a reliable receiver and adept blocker for the Green & White from 1978-’89, caught a fourth quarter touchdown pass as the Jets attempted a late rally during the Wild Card contest. Shuler and the Jets may have lost that day, but he was a versatile offensive cog for the Jets throughout his career.

情報源: TE Mickey Shuler Shined Consistently

そしてDE マーク・ガスティーノ。
NFL100年の歴史に偉大なキャラクターのひとりとして名前を残す強烈な個性。

Defensive End
MARK GASTINEAU
“His sack dance for the ‘New York Sack Exchange’ was exactly what the Jets needed at that time.” – Rich Eisen

情報源: NFL 100 | NFL.com 

彼がロン毛を、いや、その頃はロン毛なんて言葉はなかった。
彼が長髪をなびかせながら、その太い腕っぷしでQBをなぎ倒す姿は、それだけで観る価値のあるものだった。
なんというか、バーバリアン in NYと表現したくなるような…

もちろん彼の売りはキャラクターだけではない。
彼が記録した74サックは、いまだにジェッツのフランチャイズ記録だ。
もし素行に問題がなければ、今頃はゴールドジャケットを羽織っていただろうか?
レッドスキンズのデクスター・マンレーとともに惜しまれる選手だよね…

New York Sack Exchange

1981年に66サックを記録したジェッツのフロントは、New York Sack Exchangeと名付けられた。
由来はもちろん、New York Stock Exchange。
そう、ニューヨーク証券取引所だ。
彼らの活躍と、ETばりの活躍を見せるルーキーのLTの存在により、NFLはサックを公式記録としてカウントするようになったのだ。

ジョー・ウォルトン

ジェッツのサイドラインでひときわ印象に残っていたのは、選手ではなく、ひとりのコーチ。
ジョー・ウォルトンの姿だった。
カリスマのように威圧感を与えるわけでもなく、戦略家のように野心をたぎらせているわけでもない。
静かにサイドラインに佇んでいる。
似合いすぎる帽子とウィンドブレーカーを身につけ、クリップボードを小脇に抱えてトコトコ小走りをする。
まさしくコーチとしか表現できない存在だ。
そんな彼の姿を見ているのが好きだった。

 

He took them to the playoffs several times in the 1980s but was dismissed after a 53-57 record. He went on to achieve success as a college coach.

情報源: Joe Walton, Giants Star Who Found Futility as Jets Coach, Dies at 85 – The New York Times

NFLから離れたあと、ひとつのカレッジで20年もヘッドコーチを務めていたようだ。
なんていうか、彼のあの出で立ちはカレッジのサイドラインの方がしっくりくるような気もする。

今回、彼がNFLでTEとしてプレイしていたことを初めて知った。

Walton scored three touchdowns catches as a TE in one game. He did so twice during the 1962 season: October 28, 1962 against Washington and December 16, 1962, against Dallas.

情報源: Joe Walton – Wikipedia

1試合3TDパスキャッチを1シーズンに2試合も記録している。
サイズに恵まれないながらも、最高のサードダウンレシーバーと賞賛されている。
そうか…
もう亡くなられていたんだね。
謹んでお悔やみ申し上げます。

以前はスローバックといえば、僕の知らないクラシックなものが掘り起こされるという感覚だった。
しかし、いよいよ僕の過ぎ去りしリアルタイムにスローバックされるようになってきた。
まさしく、Time fliesということか…

Anyway、今シーズンのNew York Exchangeは、最高値を更新するだろうか。
それとも、下げ止まりのままなのか。
強い銘柄が、新規加入をしてはいるけれど…

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