心機一転して新しいシーズンを迎えたいデンバー・ブロンコスは、ドラフトの開催前に新ユニフォームを発表した。
その名も、マイルハイ・コレクション!
そのデザインを理解する鍵は、5280と10-4-3、この数字だ。
Introducing the Broncos’ ‘Mile High Collection’ uniforms
5280
巨大なロッキー山脈の最も標高の高い部分に存在するコロラド州。
その州都であるデンバーのニックネームは、Mile High City。
その標高は、リアルに1マイルだ。
1マイルは、5,280フィート。
その5280が、ヘルメットやユニフォームに散りばめられている。
市外局番に頼るしかなかったデトロイト・ライオンズの新ユニフォームに比べれば、その数字は遥かに雄大だ。
A closer look at the Broncos’ new ‘Mile High Collection’
山頂のアイコン
山頂を表す標識の三角形のモチーフが随所に用いられている。
それは、スリーブキャップのような大きな部分だけではなく、ナンバー上でも細かく反映されている。
ストライプが廃止されたヘルメットに配置されているのも、三角形のクラスター。
A closer look at the Broncos’ new ‘Mile High Collection’
さらにリーグの頂を表すアイコンも3つ。
1997、1998そして2015と3度のスーパーボウルチャンピオンに輝いた歴史もしっかりと刻まれている。
A closer look at the Broncos’ new ‘Mile High Collection’
デザインコンセプトは明確、情報もみっちり詰め込んだ。
こうして、マイルハイ・コレクションは誕生した。
おっと、忘れちゃいけない!
これに加えて、1977 オレンジクラッシュもスローバックする。
10-4-3
新ユニフォーム発表の会見で球団のChief marketing Officerが胸を張って、この数字を繰り返した。
10-4-3。
10通りの組み合わせ、4種類の新しいジャージとパンツ、そして3つの新しいヘルメット。
まさしく多様性のショーケースであると。
OK!その意見には同意する。
まさしく多様性のショーケースだ。
それにもうちょい無理すれば、10種類どころか、1回も被らずにシーズンを送れる組み合わせもできるんじゃないだろうか。
しかし、熱心なブロンコスマニアでない僕が、ほぼ毎回組み合わせの違う多様性を前にして、それがブロンコスであると認識できるだろうか。
もちろん、極東のファンでもない男は、マーケティングの対象ではないと言われれば、それまでのこと。
しかし、ユニフォームとは、どこの誰が見ても認識できるアイデンティティそのものなんじゃないだろうか。
Randy Gradishar
今年、1977 オレンジクラッシュをスローバックさせる理由もよくわかる。
フランチャイズを初めてスーパーボウルに導いたオレンジクラッシュのハート&ソウル、Randy Gradisharが、ついに名誉の殿堂入りをするからだ。
オハイオ州立大時代に、LBながら、ハイズマン投票で6位につけたという経歴もすごいが、ハート&ソウルと評される選手は、実は何人もは存在しない。
D-horse ロゴの復活は
であれば、いっそのこと、D-horse ロゴをプライマリーに復活させればよかったのにとも思う。
Xで見かけたデザインは、説得力のあるものだった。
I can’t help but think the @Broncos could have found a better way to merge the throwback and modern uniform designs with their new uniforms. So I took elements from their new and old uniforms and added a new custom mountain stripe. Blending past and present. pic.twitter.com/EeOUrmlw79
— Chad Fields (Vols Uniform Boy) (@CfieldsVFL) April 22, 2024
これに昨年登場したスノーホワイトのオルタネートヘルメットを組み合わせれば、統一感のあるデザインになったんじゃないだろうか。
デンバー・ブロンコスもオルタネートヘルメットを発表。 噂されていた通り、チーム史上初のオールホワイトのヘルメットの登場だ。 氷の王座を伴って発表されたのには、理由がある。 これは、スノーホワイトのヘルメットなのだ。 そうして、クリーブランド・ブラウンズとはオレンジの因縁がある。
NFL 2023 ブロンコスのオルタネートヘルメットはスノーホワイト | ALOG
しかし、球団のアンケートでは、大多数のファンはユニフォームの変更を望みながら、現行のロゴの存続も希望した。
「燃えるような目とたてがみを持つ強力な馬」と表現される、あのロゴだ。
D-horse ロゴのブロンコスは、結果的に一度もスーパーボウルでは勝てなかった。
何度も激戦のAFCを制しながら…
ところが、現在のロゴに変えた瞬間、スーパーボウル初勝利を挙げると、一気に2連覇を達成する。
ユニフォーム効果という言葉が、初めて大きく取り扱われた年だった。
バッファロー・ビルズのAFC4連覇は、スーパーボウルの4連敗とも直結している。
シーズン最後の檜舞台で勝利をあげるかどうかで、人の印象は大きく変わってしまうのだろう。
あの頃の記憶を持っているファンは、まだまだ健在で、D-horse Eraに戻ることを拒んでいるのかもしれないね。
多様性のショーケース、マイルハイ・コレクションは、新たな時代のユニフォーム効果を生み出すことができるだろうか…