It’s National Tight Ends Day. It’s a holiday.
というわけで、今シーズンの National Tight Ends Dayは10月26日に開催された。
ニュースターがどんどん出現するTE業界は、百花繚乱。
そして意外なカレッジがTEUの名乗りを上げた。
この日、リーグでTEたちが稼ぎ出したスタッツは、105捕球で1095ヤード。
そうして12ものTDをあげている。
タッカー・クラフト
その中でひときわ輝いたのが、グリーンベイ・パッカーズのタッカー・クラフトだった。
サウスダコタ州立大学ジャックラビッツの卒業生である彼は、同じく卒業生のフィラデルフィア・イーグルスのダラス・ゴーダートとともに、同じ大学出身者のレシーバーのペアとして合計のTD記録を打ち立てた。
だから、この日、TEUはどこかと問われれば、SDSUと答えるべきなのだ。
TEU
SF 49ersのジョージ・キトルが、TE同士がお互いを高めあうために設立したTight End University。
だが、TEUには、もう一つの意味合いがある。
それは、優秀なTEを数多く輩出しているカレッジを、敬意を込めて、そう呼ぶのだ。
長い目で見れば、それはやっぱりアイオワ大学ホークアイズになるんじゃないだろうか。
ざっと見るだけでも、錚々たる顔ぶれだ。

The Legends of Tight End University | University of Iowa
ジョージ・キトルはもちろん、サム・ラポルタ、そしてT.J. ホッケンソン。
ダラス・クラークや、マーヴ・クックなんて懐かしい名前もある。
アイオワ大学ホークアイズといえば、ヘイデン・フライ EraのTEが直立するセットが印象に残ってる。

Iowa’s rise to “Tight End U” started four decades ago under Hayden Fry – Hawk Fanatic
以前、TEが成否の全てを握るスイープのブロックを、やりやすくするためと聞いたことがあった。
サイズの小さかったTEを活かすにはどうすればいいかというところが、発端になっているようだ。
Want to see something old school & that you NEVER see anymore?
— Matthew Drinkall 🇺🇸 (@DrinkallCoach) June 29, 2020
Legendary Hall of Fame Coach, Hayden Fry, used “stand-up” Tight Ends.
Tall, two-point stance with hands on the hips, close to the LOS.
I know @TuckerWaugh loves to see it in action, so here it is: pic.twitter.com/sBSHiukvjd
このセットには、大きな副産物が生まれた。
それはTEが直立することにより、QBとは別の視点から守備の情報を得られるということだ。
その昔、明治大学グリフィンズも野崎和夫監督 Eraにおいて、TEを立たせてフリールートをチョイスさせるという取り組みをやっていたと思う。
バーサタイルとインテリジェンスと
ブロックしてリリースして、キャッチしてというフィジカルな多才さに加えて、得られた情報を活かすというインテリジェンスも、このポジションには必要なのだろう。
現在のTEの始祖鳥のような存在、ケレン・ウィンスローは、自らの成功の秘訣を、これがチェスだと気づいたことだと述懐している。

“I didn’t understand football,” Winslow said, “until I realized it was chess.”
The Tight End Trend that helped set up National Tight Ends Day | Pro Football Hall of Fame
ケレン・ウィンスローは、ポジションもOLの隣という固定位置から解放され、H-backとしてモーションし、ワイドアウトにもセットした。
LBのスピードでは振り切られ、DBのサイズではかなわない。
そんな危険な存在が、フィールドの情報をチェスボードのように読み取って、どんな駒より自由に動き回る。
彼の目には、守備選手は、ポーン程度にしか映らなかったことだろう。
ドン・コリエル

Head Coach – Offensive Innovator
DON CORYELL“Coryell’s contribution to pro football is profound.” – Dan Fouts
だが、その優秀な駒をチェス盤においたのは、エア・コリエルの異名で知られるゲームチェンジャー、ドン・コリエル。
彼こそが、優秀なチェスの打ち手であったのだろう。
ただ、彼だけが、他の誰も持っていない優秀な駒を持っていた。

Air Coryell: The Revolutionary Offense Always One Step Away From Glory | NFL Throwback
これまでとなんら変わりのないチェス盤の上に、見たことのない動きをする駒が突如として現れる。
これこそがイノベーションと呼ばれるものなのだろう。
対応できなかったリーグは、数年もの間、彼らに攻撃の首位を独占させることになる。
NFL100年の歴史の中で、最も進化を遂げたTEというポジション。
次に革新が起きる時、彼らはどんな働きを見せるのだろうか…
