ペコスブーツの修理が完了した。
30年を超えてしまった長い付き合いの中で、はじめて修理することができたのは、レッド・ウィング・ジャパンのリペアサービスが充実してアクセスしやすくなったおかげだ。
オールソール交換
修理前の1188 ペコスブーツは、こんな感じ。
この30年というもの、本当にいっさいのメンテナンスは行なっていない。
ブラッシングさえも…
ラフアウトレザーの状態は気にしたことはないが、このソールの減り具合では、まっすぐ歩くことすら不安定になってくる。
いかに地球が丸いとはいえ…
いっそ、おニューに鞍替えしちゃおうかとも思ったが、その頃には、我らがペコスはラインアップから姿を消していた。
もっとも、このニトリル・コルク・ソールの1188は、その前に姿を消してしまっていたようだ。
それでは修理するしかないと思って、数年前に決意したけれど、当時は依頼方法がよくわからなかった。
J.M. WESTONに行きがてら、ほぼ真向かいにあるレッドウィング青山店に持ち込んでみたけれど、料金もよくわからなかったし、何しろ半年以上はかかりますよという返答だった。
そんなに!と思って、その日は持ち帰り、以後は悶々としていた。
リペアサービス
だが、あるときサイトを覗いてみたら、修理依頼方法もわかりやすくなり、その参考価格も明示されるようになっていた。
ニトリル・コルク・ソール
オールソール交換(❶〜❷)¥19,800(税込)〜
ヒール交換(❷)¥7,700(税込)〜オイルへの耐久性の高いラバー素材にコルク片を混ぜて成型したコルク・ソールは、1950 〜 70年代には頑丈で使いやすいソールとしてワークブーツの靴底の主流でした。コルク片がソールの側面に見えるのがこのソールの特徴です。コルク片は少しでも軽量化し、耐滑性も高めるべく混ぜ込まれたものですが、ずっしりと重みのある頑丈なソールです。
<カラー:ブラック、ブラウン>
レッドウィング オフィシャルサイト(公式ブランドサイト&通販)
LINEのインストールさえしていない僕は、申し込み用紙を同封して、直接発送することで依頼した。
30年も前のオリジナルの空き箱がとってあるわけもなく、申し訳ないけれど、クラークスのワラビーの空き箱を利用した。
見積もりと確認
到着すると、すぐさまレッド・ウィング・ジャパンからメールが届いた。
そこには、僕が認知していなかった破損と、その修理に関する見積もりが記載されていた。
こちらの靴を拝見させて頂きました。
踵内側の部分の革が擦れてしまって破損しています。
同じ用に上から似寄りの革を当てて踵部分のステッチにて補強します両足腰裏革当てを御案内させて頂きます。
オールソール交換、オールソール交換+両足踵腰裏革当ての金額を記載させて頂きますのでご検討宜しくお願い致します。
そりゃ、30年もノーケアで履いてりゃ、オールソール交換だけで済む訳がないよね。
見つけていただいてありがとうございます!
というわけで、僕は提案通りの修理を依頼することにした。
もちろんこれは任意で、あなたが当初の依頼通りの内容で修理してほしければ、その選択も可能だ。
そしてもし、あなたがInstagramのアカウントを持っていて、同意すれば、その修理靴がInstagramに投稿される。
1ヶ月も早い仕上がり
当初、2ヶ月半の納期と言われてボンヤリしていたら、その1ヶ月前にメールが届いた。
また新たな修理箇所でも見つかったのかと思って開くと、なんと修理完了の知らせだった。
要した期間は1ヶ月半で、見積もりよりも1ヶ月も早かった。
あとは代引きで修理代金を支払って完了。
本当にリペアサービスの利用は、わかりやすくシンプルになった。
修理というよりリニューアル
修理が完了すると出荷の連絡にあわせて、Instagramにも投稿される。
当たり前だけど、全くの新品に交換されたソールは爽快だ。
修理というより、リニューアルという感覚の方が近いかもしれない。
こうして完璧にソールが真新しくなると、ここまでの30年って、ただの折り返し地点のようにも思える。
依頼しやすくなったリペアサービスで、致命傷になる前に早めに手を打てれば、このペコスの寿命は尽きることがないんじゃないだろうか。
正直なところ、このペコスが、どのように最期の時を迎えるのかは、今のところ想像できない…
うまく撮影できなかったけれど、ライニングの補修もされている。
こちらは、皮を当てて補強してあるので、正直なところ、足を入れた感じはキツくなっている。
まあ、履き慣らしていけば、馴染んでいく類のものだろう。
ペコスとブーツカット
こうして、ようやくペコスは現場復帰した。
Lee 102 ブーツカットも、本来のバディと組むことができる。
結局のところ、ラフアウトのペコスと薄いブルーのブーツカットデニムの組み合わせが、僕には一番のお気に入りなんだろう。
ペコスが修理不能の致命傷を負う前に、新しいものをもう一足、手に入れておきたい気持ちもある。
ただ、エンジニアが再リリースされることはあっても、ペコスは、もうリリースされることはないのかもしれないね。
特に、ニトリル・コルク・ソール を持った1188は。
もっとも、この頑健なペコスブーツは、持ち主の僕よりも、はるかに長い寿命を誇りそうではあるけれど…