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2021 第55回スーパーボウル

2021 第55回スーパーボウル「不変のチーフス」

バッカニアーズがホワイトジャージを選択したおかげで、チーフスは結果的に赤ジャージを着用することになった。
今シーズン、ユニフォームのデザインを変更したばかりのバッカニアーズに対し、チーフスはチーム創立以来、そのデザインはほとんど変わっていないのだ。

胸につけてるマークは

解禁されたシン・ウルトラマンの情報に科特隊の流星マークと思しきものを見つけて、ついテンションが上がってしまった…

チーフスが胸につけてるマークは、チームの創設者であると同時にAFLを立ち上げた偉大なラマー・ハントのイニシャル入りのパッチだ。

石油王となり、NFLに対抗するリーグを立ち上げ、レベニューシェアという画期的な手法を作り上げた。そもそも彼が、AFLという別リーグを立ち上げなければ、スーパーボウルというチャンピオンシップも生まれることはなかった。もうちょっとスケールの小さな優勝決定戦止まりだっただろう。NFLはAFLと合併しなければ、ラマー・ハントという人物がいなければ、今日の隆盛はなかったのかもしれないね。そんな彼は、NFL100年の歴史の中で偉大なゲームチェンジャーの一人にあげられている。

情報源: 2020 第54回スーパーボウル「ジャージの勝敗予想とラマー・ハント BOWL」 | ALOG

ヘルメットの矢じりのロゴも、ラマー・ハント自身がナプキンにスケッチしたものだ。

そういえば、KGファイターズの以前のロゴは伊角富三元監督の手書きによるものだと聞いたことがあるけれど、どうなんだろう…

情報源: Chiefs Uniform History | Kansas City Chiefs – Chiefs.com

カンザスシティに移転してからは大きな変更のないまま、オルタナティブのサードジャージも製作しない潔さで絶賛営業中だ。
大きな変更は、その前のこと。
ダラスからカンザスシティに移転する際に発生した。

チーフスという名前

ダラス・カウボーイズとヒューストン・テキサンズというふたつのチームが存在する現在において、ダラス・テキサンズという名前は奇妙に感じる。
しかし、それこそがチーム設立当初の名前なのだ。

だが、NFLの策略というか戦略により生まれたダラス・カウボーイズにより彼らはダラスを追いやられることになってしまった。
まったくダラス・カウボーイズというチームはろくなことをしない。
アメリカズチームという、たいへん栄えあるニックネームも自ら言い出したんだとビル・ウォルシュ御大が著書でこき下ろしていたっけ。
ダラス・カウボーイズは、初年度、0勝11敗1引き分けという惨憺たる結果に終わり、しっかりとツケを払わされているようだけれど…

カンザスシティに移転したチームは、ふたつの大きな変更を行うことになった。
ひとつ目は、テキサス州を形取っていたロゴを、現在のアローヘッド「矢じり」に変更したこと。
そして2つ目は、チーム名を変更したこと。
ファンからの公募によって決まったのは、ネイティブ・アメリカンの人々が多く住むエリアであったからかチーフスという名前。

しかし、なぜこの名前を変えずに済んでいるのだろう?

チーフといえば酋長さんのことであろう。
チーフエンジニアなどと一般的な名称に広がっているとはいっても…

なぜこんなことを言い出すかといえば、今シーズン、大変ショッキングなことがあったからだ。
僕の最初のアイドル、RBジョン・リギンズのいたワシントン・レッドスキンズが、勇猛で歴史のあるチーム名とロゴを剥奪されたからだ。
オニツカからシューズを盗んだ企業が、今度はレッドスキンズからそれを取り上げたのだ。
アメリカ版文化大革命と言われた2020年の暴風雨は、このチーフスにも及んでも良さそうなものだった。
しかし、カンザスシティは無風だった。
公募で決まったということもあるのかもしれないが、このチーフにはもうひとつの意味があったからだ。

バートル市長のニックネーム

公募でトップではなかったチーフスという名前に決まった大きな理由。
それは、チームを熱心に誘致した当時のカンザスシティのバートル市長のニックネームが「チーフ」だったからということになっている。

Anyway、AFL創業時からの伝統あるチームは老舗の看板を守ることができている。
ネーミングライツの洗礼を浴びていない希少なアローヘッド・スタジアムとトマホークチョップもあわせて。

現在のところ、赤ジャージを着用したチーフスはスーパーボウルで勝ち続けている。
彼らの海賊退治は、どんな顛末を迎えるだろうか…

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