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NFL 2023 ブロック・パーディ Next Gen Stats史上最多のブリッツの雨

Mr. Irrelevantとしてリーグに加入した男は、重要人物どころか、もはや替えの効かない存在になっている。
危ぶまれた怪我から見事に開幕戦で復活を遂げたブロック・パーディ。
第3週、満を持してホーム開幕戦を迎える彼にニューヨーク・ジャイアンツが浴びせたのは、Next Gen Stats史上最多のブリッツの雨。

Blitz rate 84.6%

スナップを受けるたび、ほぼブリッツを浴びていたパーディーは、平均2.34秒のクイックで確実なデリバリーを見せ、動じることはなかった。

YAC!

パーディーが動じることがないのは、ランアフターキャッチに優れた武器を豊富に抱えているからだ。

彼らは、ただのスラントを、ただのフラットを、とんでもないゲインを稼ぐ代物に変えてしまう。

短くデリバリーして、ランアフターキャッチでガンガン稼ぐという往年の49ersの姿を思い出す。
しかし、パーディーもYAC頼みばかりではない。
セカンドエフォートの必要のないパスを投げる力も持っている。

結果、ブリッツの雨を降らせたジャイアンツの守備に対して、パーディーは、キャリアハイのパッシングヤードを記録することになった。

今後は、パトリック・マホームズのようにBlitz rateの極端に低い扱いを受けるんじゃないだろうか。

RUN CMC

ブロック・パーディには、地上戦においても頼れる武器がある。
クリスチャン・マカフリーが稼ぐのはランアフターキャッチだけではない。
ランプレイにおいてもAWSの機械学習が弾き出す予測値を大きく超えている。

3週終了時点で、RYOEは109ヤードに伸びている。
そしてキャリア累計のラッシングヤードは、ついに5000ヤードに到達。

そして12試合連続TDの記録は、ジェリー・ライスのフランチャイズレコードと並ぶものだ。

ランでもパスでも1000ヤードを超えた初めての選手はロジャー・クレイグだった。

ハイニーアクションの爆発的なランプレイも魅力的だったが、この頃の49ersは、トム・ラスマンも含めてRBがガンガン、パスを受けていた。 短くデリバリーしてランアフターキャッチでバリバリ稼ぐ。 そうしてウェストコースト・オフェンスを確立していったチームに、ランでもパスでもガンガン稼ぐクリスチャン・マカフリーが直系の後輩として入団するのが、とても自然に感じられたのだ。

情報源: NFL 2022 DIVISIONAL ROUND 「SF ジャスティス・リーグとMr. Relevant」 | ALOG

その直系の後輩とも言える働きぶりに、申し訳ないが、以前着ていたジャージの色を忘れてしまう。
生え抜きのようにチームにフィットし、チームを牽引しているからだ。

僕は、昨シーズンのNFC Championship Game が忘れられない。
ブロック・パーディの負傷により、パスという選択肢が封じられた49ersの攻撃にあって、ランしかない見え見えの状況でTDを奪ったクリスチャン・マカフリーの姿が…

もはやラン攻撃しか選択肢が残されていない49ersにおいて、AWSの機械学習が4ヤードと予測したプレイに19ヤードも上積みしてエンドゾーンに持ち込んだ。このプレイがTDにつながる確率は1.1%しかなかったというのに…

情報源: NFL 2022 NFC Championship Game 49ers vs Eagles 「Irrelevant Bowl」 | ALOG

チャンピオンシップの忘れ物

あんなにやるせないゲームを見たのは初めてだった。
ブロック・パーディが、初めてボールを失った試合だ。
あれがファンブルなら、GOATのアレの方が明らかにファンブルだ。

彼は、このファンブル以外、現在に至るまで、1度もボールを失っていない。
フィールドに立って以来、一度もINTを記録していないのだ。
そして唯一の敗戦も、あの怪我を負ってしまったゲームだけ。

レギュラーシーズンで一度も敗戦を喫していないルーキーのクリーツは、名誉の殿堂に送られることになった。

このままの活躍が続いてくのなら、そこに飾られるのはクリーツに止まることはないだろう。
彼の敬愛するダン・マリーノのように。

だが、その前に手に入れなければならないものがある。
彼がMr. Irrelevantでないことは、すでに証明されている。
今度は、それに見合った対価を手に入れるときだ。
あのNFC Championship Gameに、何か忘れ物をしてきたと感じているのは、僕だけではないだろう…


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