Movie & TV / テレビ東京

東京放置食堂「せめて風が吹くまでは…」

こんなタイトルに惹かれたあなたは、きっと疲れたオトナなのだろう。
それならば、あなたにぴったりだ。
せめて風を待つ間、あなたは日常を放置することができる。

東京放置食堂

片桐はいりが主演!

スマホのゲームを原案にしているというのは、大成功を収めた八月は夜のバッティングセンターで。と同様だ。
片桐はいりを主演に据えるという選択に、相変わらずテレビ東京攻めてる!という印象だった。
しかし、見終わってみれば、彼女ほどぴったりのキャスティングはなかったと実感できる。

主人公である真野日出子は東京生まれ・東京育ちで、数多くの被告人を裁き、更生させてきた曲がったことが大嫌いな初志貫徹の元裁判官。これまで、裁判官として幾度なくキャリアを重ねてきた彼女だが、人を裁くことに疲れてしまい、退官を決意する。そして、あることをきっかけに、日出子は大島へ!
その場所で、祖父から受け継いだ「風待屋」を一人で営む寡黙な若い店主・小宮山渚と大島名物の“くさや”との出会いが、彼女の第二の物語の扉を開けます!

情報源: イントロダクション|東京放置食堂|主演 片桐はいり|テレビ東京

本気の説教は、思いやりとのらせん構造になっているものだ。
それを存分に振る舞う彼女は、やはり思いやりに溢れた人間なのか…

逃避にしろ冒険にしろ

人生に行き詰まったら、空港ですぐに乗れる便に飛び乗れ!
という文章を読んだことがある。
知らない場所で、新たな人生をやり直すのだと。
彼はそれをロールプレイングゲームのようにと表現していた。

飛行機に乗れない彼女は、「ひで」さんは、そうして船に飛び乗ったのか。
何かがあったから彼女はそうしたのか?
あるいは、何もなかったから彼女はそうしたのか?

やり直すために彼女はやってきたのか?
何もしないために彼女はやってきたのか?

逃避にしか見えない行動を、彼女は冒険と言い張っている。
彼女は、ただ風を待っているだけに過ぎないのかもしれない。
ただ、それはどちらでもかまわない。
それを眺めながら、僕も日常を放置して、ただ風を待ちたい。
せめて彼女が風を待つ間…

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