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機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY 知ったかぶりのバーニアン

ファーストガンダムの放送終了後、燃えかすのような余韻をくすぶらせたままの僕らに投入されたのが、ガンダムセンチュリーだった。
それは宇宙世紀という大きな余白を含んだ世界を、埋めながら深めてくれるものだった。
そうして知ったかぶりとして完成された僕らに、公開された機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORYは衝撃だった。

足は不要でもバーニアは欠かせない

重力下ではない宇宙空間の戦闘に用いられる機体に、足がある必要はない。
武器を使用するためのマニピュレーターと十分なバーニアがあればいい。
だから、ジオングもあれで完成なのだよ、たとえジオンというスペースノイドであっても宇宙空間の戦闘の経験が乏しいお偉いさんには、それがわからないんだ。
と、知ったかぶり僕の背中をグッと押したのはコレだった。

AMBAC理論に、なるほど!と納得はしたものの、手足バタバタさせてバランス取るより、バーニア大盛りの方がはるかに高機動なはずだ。
こうしたザクが、モビルスーツが、登場するのが本来のガンダムだったはずだ。
それでリメイクしてもらえないかと思ったものだ。
ストーリーも登場人物もそのままでいいから、メカだけちゃんとして欲しいと。

余談だが、超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますかでも、スーパーパックに身を包み、航空機ではなくなったバルキリーが、バーニアをフルに活用して逆加速や瞬時の方向転換を可能にした高機動物体に変貌を遂げたのも嬉しい驚きだった。
もっとも、その前の宇宙空母アームド01からの発艦シークエンスで、興奮度はピークになっていたけれど…

ドラッツェ

そして公開された機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORYに登場したのが、このドラッツェという機体だ。
これは、あのガンダムセンチュリーに登場したザクと同じコンセプトじゃないか!
その盛り上がりを高めたのは、ガンダムの地上戦仕様と宇宙空間仕様の違いだった。

バッタのようなフルバーニアン

テストのためにオーストラリアのトリントン基地に運ばれたガンダム試作1号機は、当然ながら地上戦仕様となっている。
宇宙空間仕様に換装できないままで出撃した1号機は、あえなく撃破されてしまう。
換装前では、ジムより性能が劣るといわれる機体は、敵からバランサーがおかしいのかと嘲笑を受けながらだ。
装甲の厚さによって、なんとか一命をとりとめ回収された機体は、そうして、宇宙空間使用のフルバーニアンへと換装される。

その機動力は凄まじく、あのシーマ中佐をもってしても照準を定めることができない。
「なんだコイツ、バッタか!」と。

https://alog4.tumblr.com/post/620287121009295360

こうしたシーン、こうした設定、こうしたガンダムを、ガンダムセンチュリー以来ずっと見たかったんだ。
僕にとっては、長い長い飢えを満たされた瞬間だった。
アムロがサイコミュを操るνガンダムはインプレッシブだし、本気になったバナージが操るユニコーンガンダムはおそらく最強だ。
でも僕にとって、フルバーニアンこそずっと待ち焦がれていた、この宇宙世紀という世界において本来あるべきガンダムの姿なのだ。

デンドロビウム

そして、僕らの想像の遥か斜め上から提示されたのがガンダム試作3号機デンドロビウムという機体だ。

MSだMAだというカテゴライズを鼻で笑うようなパッケージは、宇宙空間での効率を最大限に追求したオブジェクトと言える。
この異形のパッケージは、ガンダムセンチュリーを初めて読んだ時の衝撃を思い出させてくれた。

初めて採用された全天周囲モニターが、衝撃を受けるたびにチラついて初期設定時のメモリが表示されるのも細かい演出だ。

https://alog4.tumblr.com/post/620290573698465792

また、この作品ではMSが、マシンガンのマガジンチェンジをおこなうシーンをきちんと描いてあるのもうれしい。
リロードシーンは、それが描かれているだけでうれしいものだからね。

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