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カンザスシティ・チーフスのスーパーボウルリング「3粒のダイヤモンドと新機能」

カンザスシティ・チーフスが3つ目のスーパーボウルリングをお披露目した。
3粒の大きなダイヤモンドを誇るリングは、よりラグジュアリー化が増しただけではない。
スーパーボウルリングとして初めての機能を兼ね備えている。

リムーバルトップがペンダントに

タンパベイ・バッカニアーズが初めて採用して以来、もはや定番化してしまったリムーバルトップのデザイン。
そのリムーバルトップがペンダントとして着用できるという新しい機能が備わった。

情報源: Chiefs Super Bowl LVII Championship Ring | Kansas City Chiefs – Chiefs.com

デザインという敬意

製作を請け負ったJostensによるデザインの解説動画が公開されている

昨年のロサンゼルス・ラムズのようにスーパーボウルで実際に使用されたスタジアムの人工芝とゲームボールを用いることはなかったが、そこに詰め込まれた情報量は凄まじい。
リングを収納するラグジュアリーなボックスにはタブレットも内蔵されており、ボックスを開くと、あの瞬間の映像が映し出される。

情報源: Chiefs Super Bowl LVII Championship Ring | Kansas City Chiefs – Chiefs.com

このリングひとつで宝石箱とも呼べるほどのラグジュアリー化とミュージアム化は、ますます進化していくのだろう。
単なる贅を凝らした宝飾品ではなく、文化遺産にまで昇華したと言っていい。
遥か未来、現在の言語も文化も途絶してしまったような時代においても、その時の人々は発掘されたこのリングを用いて、様々なことが解読できるはずだ。
しかし、アメリカ合衆国のミズーリという一つの州の中に王国が存在していたことは、彼らの頭を混乱させてしまうかもしれないね。

ただただ贅沢に、ただただかっこよくなんてこととは遠いところでデザインされている。
そこには成し遂げたものへの敬意と称賛が込められている。
それを積み重ねてきた歴史そのものにも。

だから、いくらマイナースポーツとはいえ、わが国のトップリーグがデザインという行為を、すっ飛ばしてトロフィーを拵えたことには失望を通り越して驚きしか感じない。
そこに何かの敬意は存在しているのかと…
せっかくパールボウルという美しい名前を持っているのにね…

covid-19に不慣れだった前回と違い、今回はセレモニーという名のパーティーも行われたようだ。
喜びを爆発させる王国だけれど、悲しいニュースもあった。

さようなら、そしてお元気で ノーマ・ハント

あのラマー・ハントの妻であり、夫亡き後は子供たちと共同でフランチャイズのオーナーとしてチームを支えてきた彼女が亡くなった。
違和感を感じるのは、その年齢だ。
85歳だったということだが、どう見ても若々しい。

全てのスーパーボウルを観戦しているNever Miss a Super Bowl Clubのわずか4人のメンバーの中で、唯一の女性だった。
スーパーボウルのネーミングの由来は、子供たちが遊んでいたスーパーボールだというのは有名な話だ。
そしてそれを玩具屋さんで子供達に買い与えたのは彼女だった。

If she was disappointed with something or someone, you never heard it expressed in angry words. Those who may look at her through the glamour of her position as an NFL owner’s wife will be disappointed. Her life was simple for the un-escapable reason that she was a gracious lady. She enriched the lives of her family, her friends and everyone she came in contact with. She also helped shape, proudly for the better, the world of sport as we know it.
Ave atque vale.

情報源: The Grand Lady of Sports

男だ女だと騒がなくても、世の中は女性の支えなしでは立ち行かない。
それは、このNFLという世界にあっても同じこと。

A Lifetime of Sundays: NFL History through the eyes of Four Female Team Owners

国内外を見渡してみても、男か女かに関わらず、どんな人間がオーナーになるのかこそが重要だ。
その人間性が、チームの、フランチャイズの、そして地域の明暗さえもわけてしまう。
自己顕示欲のためだけにフランチャイズを振り回すような輩がいれば、とっとと排除しなければならないのだろう、本来ならば…
ふと考えてみれば、この日本という国にあって女性初の日本プロ野球オーナーとなった南場智子を僕らはもっと応援すべきなのかもしれないね…
男か女かは置いといて、風穴を開けたものとして…

知れば知るほど、ラマー・ハントという存在がなければ現在のNFLの隆盛はなかったことがよくわかる。
そんな夫を支え、子供たちを育て上げ、フランチャイズを確固たるものとした彼女には敬意を評したい。
謹んでお悔やみ申し上げます。

ミズーリ州の王国が安定しているのは、最年少でジョー・モンタナとトム・ブレイディに肩を並べたエリートQBの存在が最大の理由ではないということを、あらためて痛感するよね…

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