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NFL 2021 チャージャーズの怪物QBと獅子奮迅のレイダース守備

ベストゲームは、シーズン最後にやって来る。
NFLレギュラーシーズン最後の第18週 、ラスベガス・レイダースとロサンゼルス・チャージャーズの一戦をGAME OF THE YEARとNFLは言っている。
4th Downのパスを全て成功させたチャージャーズの怪物QBとレイダース守備陣のフロントとDBの獅子奮迅の激闘をNext Gen Statsが解説。

4th Downのパスを全て成功させたジャスティン・ハーバート

あらためて明らかになったのが、チャージャーズ QB ジャスティン・ハーバートの怪物ぶりだ。
彼は、失敗すれば敗戦確定という4th Downのパスを6本とも成功させてみせた。
AWSの機械学習が弾き出した成功の見込みはどれも低く、3%の確率しか見込めなかったものもある。
その結果、CPOEは+40.5%。
EPAは+18.8とNext Gen Stats史上最高の数字を叩き出した。

彼はただ肩が強いだけのQBではない。
8人で後ろをカバーするレイダースのディフェンスに対して、危なげないストライクをしっかりと決めてみせる。
試合終了とともに投じられたTDパスは、ダブルカバーのわずかな隙間。
1ゲームで狭いスペースに17回もパスを成功させたのは過去4年で最多のこと。

さらに2ポイントコンバージョンでは、強烈なプレッシャーを浴びながら、5番目のターゲットを見つけて成功させるという冷静さも持ち合わせている。

AFC Defensive Player of the Weekに輝いたマックス・クロスビー

そんな怪物に伸び伸びとプレイさせてはたまらない。
ブリッツいらずのふたりのエッジを擁するレイダースフロントは、プレッシャーをかけ続け、4Qにはさらにギアを上げた。

その結果、マックス・クロスビーは第18週のAFC Defensive Player of the Weekに選出された。

NFLでブリッツ使用率が最小のレイダースには、ブリッツを仕掛けなくてもプレッシャーをかけられるフロントの存在がある。
その結果、パスカバーに7人以上割けることでより後ろを強化できる。
判断を迷ったQBに生まれるわずかな待ち時間がリリースを遅らせ、パスラッシャーにQBに到達するための時間を与える。
そんな好循環が生まれているように見える。

CB ブランドン・ファシソン

今シーズン、チャージャーズから移籍してきた4年目のCBは、大活躍だった。
OTの「どストライク」のサヨナラTDを防いだだけではない。
随所でシュアなカバーとタックルを見せ、ランプレイにはロスタックルまでお見舞いしてる。

レイダース守備陣のフロントとDBの獅子奮迅の活躍が、このゲームをモノにできた最大の要因と言っていいのだろう。
しかし、逆にいえばベストプレイを見せ続けるディフェンスに対してさえ、あのパフォーマンスを発揮したジャスティン・ハーバートの怪物ぶりも恐ろしいが…

RB ジョシュ・ジェイコブス

レイダースのオフェンスのキーマンは、RB ジョシュ・ジェイコブスだろう。
ゴツゴツと人に強いラッシングをみせる彼は、このゲームで132ヤードを獲得。
そのうち130ヤードは、コンタクトの後に稼いだものだ。
彼の存在がなければ、レイダースはいいとこ引き分けで終わっていたのかもしれない。

いかにダニエル・カーソンを擁するとはいえ、彼が最後突き抜けてフィールドポジションを確保できなければ、FGが失敗に終わった可能性はある。
もっと言えばOTの間、彼がゴツゴツとボールを進めなければ負けていた可能性だってあるだろう。

最後はディフェンスとランニングゲームで勝つのだという、最近あまり耳にしなくなったことを強烈に思い出させてくれるゲームとなった。

せっかくの激闘、白黒がついてよかった。
引き分けであれば両チームが揃ってプレイオフに進める状況に、その選択肢も検討されたようだが、結果としての
引き分けとなし崩しの引き分けでは全く異質のものだ。
なし崩し的な引き分けを選択したものが、その後のプレイオフを勝ち上がっていけるわけがないではないか。
それにそうした結末は、せっかくの上質なゲームを台無しにしてしまうところだった。

もっともJust Win Babyの教えに逆らえば、あの世からきっちりと祟られることだろう。
そういえば、あちらのサイドラインもまた一段と賑やかになったようだ…

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