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日大とThe idiotsとジョー・パターノと

酷暑の不快指数を一気に跳ね上げるくだらないニュース。
愚か者が、またやらかした。
シンプルな愚か者の振る舞いに連鎖するように、多種多様の愚か者が登場し、不快指数はスパイラル的に一気に上昇していく。

やったのは学生
隠蔽は法人
Is that all?

そんなシンプルな話でもなくなってきた。

不祥事件数÷競技人口=?

時間軸を遡れば、社会人リーグでも、覚醒剤や、シリアルレイパーが逮捕されたこともあった。
マイナースポーツの王座に長いこと座っているくせに、不祥事の数はメジャースポーツ並みだ。
競技人口あたりで算出したら、どんな数字を叩き出すだろう。

不祥事の顔ぶれは、見覚えのあるものばかりだ。
だからこそ、あのシン・アンネサリーラフネスの異種さが際立つけれど…

大学生の飲酒に世間は本当に厳しくなったね。
ボーイとしてブランド化した面々も、ずいぶん下世話なことをする。
京都という土地では、性的暴行は伝統なのか?
なんて雑感が湧く。

そんな状況だから、今回の事件も、当初は、それほど苛立つこともなかった。
ああ、またか。
これでKGとの定期戦の復活も遠のいたねぐらいの感想しか抱いていなかったのだが…

大麻というゲートウェイ

ありがちなくだらない事件だと思っていた僕が、認識を改めたのは、このニュース解説を見たからだ。

ここでは、大麻の持つ筋肉痛の消炎効果について語られている。
大麻から抽出されたCBDの効果が広がっており、より強い効果を求めるものは、CBDから大麻に移行するようだ。
CBDについては、非合法のものではないが、それを含んだ製品についてはセンシティブであることを、厚生省の麻薬取締部は注意喚起を促している。

だとすれば、みんなで葉っぱでラリパッパなんて、ドラッグ愛用者のそれとは趣の異なる事件なのかもしれない。
筋肉痛を緩和して、よりパフォーマンスを向上させるためのツールとして使われたのだ。
それはハックとして、知恵として、チームに共有されてきたのかもしれない。
そうであれば、長年、複数人が使用していた可能性も一気に高まる。

背景には、罪の意識の低さもあるだろう。

大麻はタバコなんかより体に悪くないんです。
むしろカラダにいいんです。
いつ、日本では合法化するの?

なんて声高に叫ばれているのだから。

覚醒剤みたいな、本物のドラッグとは違うんだぜ!
だから、大丈夫だよ!

なんてコピーライトとともに伝承されていったのだろう。

当該容疑者の学生が、大麻の使用についてはあっさり認めたものの、覚醒剤の錠剤に関しては、頑なに否認しているのは、その表れなのかもしれない。

しかし、業者は違う。
業者は、見込み客に対して高価な試供品を与えてくれた。
そのおまけに飛びついてくれれば、長く稼がせてくれる上客に昇格する。
なんだかんだ言っても、そうなってくれる見込みは高いはずだ。
なぜなら、法律との境目という強固なゲートを飛び越えてきた相手なのだから…

The idiots

こうして事件が報道されるようになると、また違う種類の愚か者が湧き出してきた。
こんなマイナースポーツの、ありがちな犯罪に、対して世間の注目も集まっていないのに、妙な声を上げ始める。
声のデカいだけの愚か者が味方につくことは、マイナスでしかない。

誰もそんなことは言っていないのに、「アメフトは悪くないんですぅー!」とがなり始める。
きっと、ヒットの制限が緩かった頃のルールで、進化していないヘルメットを装着していたために、脳細胞を死滅させてしまったのだろう。

学生ひとりの犯罪に学校の謝罪を求めるのは、おかしい!
アメフト部だからマスコミが話を大きくしてる!

なんて騒いでる人もいた。
おっしゃる通りだ。
学生ひとりの犯罪に学校が謝罪する必要なんてない。
しかし、一般の学生の犯罪だったならば、学校法人総出で隠蔽に精を出しただろうか?
一般学生の、こんなつぶやきもある。

この件に便乗してソーシャルゲームで名前を売りたいのか、すぐに連帯責任を求める風潮を批判し、コーチは教育者ではない、アメリカでは犯罪者個人しか罰せられない、なんて騒ぐものも現れた。

やったのは学生。
隠蔽は法人。
連帯責任ではなく、それぞれがやらかしてるというのに…

彼らはジョー・パターノのことを知らないのだろうか。

ジョー・パターノ

ジョー・パターノは、カレッジフットボールのヘッドコーチとして、押しも押されもせぬレジェンド中のレジェンド。
本来ならば、歴代最多勝利監督だった。
なぜ、そうではなくなったのかといえば、勝利数の一部を抹消されたからだ。

雇っていたペドのアシスタントコーチが児童への性的虐待をおこなっていた事実を知りながら、彼は何のアクションもとらなかった。
その責任を問われ、彼ほどの大物も、その座を追われることになった。
409勝のうち、実に111勝もの記録が抹消されたのは、そのアシスタントコーチの犯罪が15年もの長きに及んでいたからだ。
つまり、彼は、15年もの間、その犯罪を黙認していたことになる。

彼の勝利記録を抹消したのはNCAAであり、彼の解職を決めたのは大学の理事会だ。
このとき、学長・副学長・体育局長も併せて解任されている。
フェニックスの無期限活動停止だけでやり過ごそうとしている日大にいるのは、教育者なんかじゃない。
ただの保身者だけだ。
そうした輩は、結束だけは強いらしく、悪質タックル事件の直後、一番しんどい時に手を上げてくれたヘッドコーチを契約満了の名の下に追い払った。
甲子園ボウルに出場できるまでに復活させてくれたというのに…
そうして、純血OBでコーチ陣を形成した矢先のラリパッパ…

林真理子

わたしは、お飾りじゃない!とご立腹だった。
それは、彼女のいう通り。
そこまでアイコニックな存在じゃない。
改革の辣腕をふるうという期待感も感じてはいなかった。
辞退が相次いだ理事長職の候補者リストの何番目にいたのかは知らないが、彼女が理事長に就任するというニュースは、本当にどうでもいいものだった。
そう、満を持して発表されたであろうキャッチフレーズと同程度に。

その中途半端な人選は、日大らしいといえば日大らしい。

インターネット Eraの前、ひと頃、コピーライターがインフルエンサーだった時代があった。
そこで名前を売り、金が捨てるほど余っていた時代にテレビに出演し、小説を書く。
大きな野心の果てに、大きな大学の理事長職についた。
いっちょ上がりでよかったですね。
ただ、それだけの感想しか抱かない。

だから、この先、彼女が理事長職を続けようが辞めようが、どうでもいい。
スポーツのことは任せていましたと言い放つ彼女に、ジョー・パターノよりはるかに小粒なものたちを解職できない彼女に、何を期待できるというのだろう。

会見で頭を下げる代わりに、顎をクイっと前に突き出した彼女を見て、この人は、人に頭を下げることなく生きて来れたんだなぁと実感した。
どうぞ、黒塗りの送り迎え付きの理事長ライフを満喫してくださいませ。

学校法人は倒産しないの?

民間の法人は、何かあれば倒産する。
こうした学校法人は、倒産することはないんだろうか。

いや、この件で日大を潰せと言ってるわけではない。
ただ、こうした事件が続いて、あれほどの大きな痛手を負って、それでも体質は変えられず、また繰り返してしまう。
挙句に満を持して新設した危機管理学部では、効果的な危機管理を学べそうにないことが逆宣伝となっている現状を、経営陣はどう見ているんだろうか。
やがて志願者が減り、学生が減少するという危機感なんて素人考えなんだろうか。
偏差値ランキングで、それなりに受験者はやってくるだろうし、OBの強い繋がりで就職は、まだまだアピールできるし!って感じなのか。
まあ、補助金もあるしねぇ…
倒産のリスクを考えなくていい経営って、本当に気楽でいいだろうね。

文部科学省がドラスティックな手を打つとも思えない。
悪質な天下りを斡旋し、公用車で反社の経営する売春店に足繁く通っていた人間が次官にまで上り詰める。
そんな組織と知って以来、彼らに何かを期待することはなくなった。
これは余談だが、大陸からの留学生がいなければ生徒数も確保できす、日本語ではない国歌を歌わせているような学校法人は、あのまま放置しておくんだろうか…

ケーサツ

事前にOBに相談したとか、そんなふうには聞いていないとか、言った言わないの泥試合になってきてはいるが、今回も警察の対応に首を傾げている。
犯罪の疑いがあれば捜査するのが警察の仕事だとばかり思っていたが、彼らは、その代わりに薬物講習会なんて開催している。

OB同士の机の下のやり取りが成立するのが、危機管理学部の強みなのか、それとも警察OBの強みなのか。
このところの警察の動きには疑問点ばかりが浮かび上がる。

始まりは、安倍前首相の暗殺だ。
初歩的な警護のミスで、中南海が泣いて喜ぶ、重要な人物の暗殺を成就させてしまった。
そうして自分たちの落ち度を埋没させるために、容疑者のバックグラウンドをいち早くリークして、世論を遠ざけようとした。
安倍さんが暗殺された直接の原因は、警護のミス。
ただ、それだけだ。
何より、銃弾すら発見することができていない。
その後も、岸田総理が、ただのラッキーで命拾いした、改善されていない脆弱な警護も明るみになった。

暴露系YouTuberの逮捕にしても、通常であれば受理されないであろう被害届が受理されて、早々に逮捕につながったという話もある。
警察OBが、ある企業に顧問として雇われた直後だ。
最近、文春で話題になったコールドケースも、与党から圧力がかかって捜査が止められた訳ではなく、真犯人が関係者だから不自然な形で捜査を終了させたという見方もあるらしい。

そうして今回の事件だ。
OB同士がこちょこちょやれば、ジャスティスの塩梅なんてどうにでもなるんだぜと言われているようだ。
再就職した先輩の顔を立てるために、自らも後釜になるために、法執行は彼らの胸先三寸だ。
そのような警官に逮捕され、証言を誘導する検事に起訴され、外国人の裁判官に判決を言い渡される。
これが令和日本のジャスティスだ。

UNIVASは?

そのような警察の捜査が、今後、本当に全容を解明してくれるのかについては、あんまり期待していない。
日大独自の調査など、当てにできる理由がない。
では、誰が調査してくれるのだろう?

日本版NCAAとして鳴物入りで始まったUNIVASは、どんなアクションを取るのだろうか?

情報源: UNIVAS (ユニバス) | UNIVAS (ユニバス)

彼らは、能動的なアクションを取るだろうか?
それとも、スポンサー集めと、美しい啓蒙活動で手一杯なのか?

一部報道にあるように、9年前から大麻が使用されていたとするのなら、日本アメリカンフットボール協会はOBも含めて調査に乗り出すだろうか?
それとも、スケープゴートは1人のままで、再発防止に論点を集中させて店じまいにするのか。

いや、どっちでもいいんだよ。
こんなマイナースポーツ、世間はどうでもいいと思ってる。
どうせ、日本では、向こう100年、普及することはないさ。
それに、本物の野心を持ったものは、アメリカにダイレクトに渡るようになってきた。
だから、不思議なんだよね。
アメリカのように大学の大きな収益源にもなっていないのに、これほど隠蔽に走るのか。
結局、突き詰めれば、それぞれ自分自身の保身に尽きるんだろうね。

だから協会は、世間の目など気にせずに好きなようにやればいい。
どうせ注目されていないんだから。
安直に廃部でもいいし、スケープゴート1人でちゃんちゃんでもいい。
しかし、自分たちで何をすべきかは、真剣に考えてほしい。
それこそ、向こう100年を見据えて。
この先、同様な事件が発生するたびに、どのような態度で臨むべきなのか。
そのフォーマット作りには、着手すべきなんじゃないだろうか。
大樹になろうとするのなら、まずは土壌を良くしなければ…

フットボールの進化は著しく、NFLでは、ベストゲームが日々更新されていく。
あんな面白いものを、曇った目で見なきゃいけないことほど不幸なことはない。
だから、フランチャイズQBが変わったクリーブランド・ブラウンズのゲームを僕は楽しめなくなった。
ニック・チャブは好きなんだけどねぇ…

フットボールをやるのが聖人君子である必要はないし、強烈なエゴと欲望がなければ、勝ち抜いていくことが叶わないことも理解している。
ただ、やはり、そこには一つのボーダーが存在するはずだ。

サッカーは、野蛮人がやる紳士的なスポーツ。
ラグビーは、紳士がやる野蛮なスポーツ。
フットボールは、野蛮人がやる野蛮なスポーツ。

出典は不明だが、以前、こんな名言を目にした。
皮肉と愛情とユーモアに溢れる表現は、長いことフェイバリットだった。
しかし今、これを見てくすりとも笑えない自分がいる…

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