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2022 第56回スーパーボウル「Next Gen Stats 2.5秒の境界線」

ロサンゼルス・ラムズとシンシナティ・ベンガルズの対戦は、どちらが優位なのか?
Next Gen Statsは、さまざまな切り口から分析していて興味深い。
その中で、ひとつの数字がとても気になる。
2.5秒。
この数字、いや、時間が大きな大きな境界線となりそうだ。

Will Joe Burrow be able to throw against an Aaron Donald-led front? Can Zac Taylor successfully match wits with his former boss, Sean McVay? Next Gen Stats maven Mike Band crunches the numbers on five crucial Super Bowl LVI matchups. Who has the edge?

情報源: Super Bowl LVI scouting report: Who has the edge in Los Angeles Rams vs. Cincinnati Bengals?

ラムズのプレッシャーは前提条件だ

ベンガルズのQB ジョー・バロウにプレッシャーがかからないようにしよう!
なんてプランは絵に描いた餅、どうせ実行することはできない。
なにせジョー・バロウが今シーズン浴びたサックは51!
2018年シーズン以来、最多の数字だ。
テネシー・タイタンズのDivisional Roundの対戦では、なんと1ゲームで9サックも浴びたのだ。

対峙するラムズのディフェンス・フロントは、超豪華で超強力だ。
Next Gen Statsが始まって以来、138人のディフェンスプレーヤーの中でNFLで最高のプレッシャーレートを誇るボン・ミラー
そして、5位にはアーロン・ドナルドがいる。
一人だけでも厄介な選手が二人もラインアップするのだ。
移籍当時、今一つ影の薄かったボン・ミラーもすっかり復調し、ポストシーズンに入ってからのプレッシャーレートは、レギュラーシーズンの倍近くに及んでいる。

こうしたディフェンスに対してジョー・バロウを完全にプロテクトしようとするのは無理がある。
そんなことを前提にゲームプランを組んだなら、1Qから破綻してしまうだろう。
しかし、2.5秒を辛抱できれば、状況は一気にひっくり返る。

パスを投じるまで3秒以上の時間がかかれば、ベンガルズがQBサックを浴びる割合はNFL30位。
ほぼリーグの底辺と言っていいだろう。
その状況でラムズのディフェンスがQBサックを生む割合はNFL3位。
つまり、パスを投じるまで3秒以上の時間がかかると、OLD SCHOOLな表現をすればマイQBは、お陀仏ということになる。

YACの怪物 ジャマール・チェイス

しかし、2.5秒以内にパスを投じることができれば、それはオセロの駒のようにひっくり返る。
ラムズのディフェンスが一気に底辺の数値を表示しているのがお分かりになるだろうか。
しかも、YACでは、ランアフターキャッチでは正真正銘のNFL最低の数値だ。
そして、ベンガルズには、YACの怪物、ジャマール・チェイスがいる。

ショートパスからのランアフターキャッチで、Next Gen Stats始まって以来、最も予測値を超えた彼は、本当になんでもないショートパスを一発で持っていく力がある。
そこにラムズ自前のミスタックルがついてくれば、3秒もかかるような長いルートを走る必要もない。

ジョー・ミクソンのランがキー

僕は、ベンガルズのRB ジョー・ミクソンに注目している。
前半からビッグゲインを連発することはないけれど、辛抱強くボールを運び、後半になればなるほど、ディフェンスをほどくようにゲインが伸びていく。
TEウゾマーが出場できるかは不明だけれど、OLを6枚投入して展開されるランプレイは強力だ。
エッジラッシャーをのびのびとさせないためにも、いつものようにこれを繰り返すのは必要なことだろう。

もしラムズが、それに神経を尖らせ、49ersとのチャンピオンシップの時のように、フロントを重たくすれば、その時はベンガルズのチャンスとなる。

ジャマール・チェイスが得意なエリア、Next Gen Statsでのレコードを記録したフィールドのOUTSIDE THE NUMBERSが手薄になる。
しかもそのエリアは、ラムズにとって得意な場所ではない。

チーフスとのAFC Championship Gameでも、プレイアクションでジョー・バロウが信じられないくらいフリーになるプレイがあった。
勝負どころでジャマール・チェイスが走り込めれば一発が生まれるのかもしれないね。

Who Dey?

 

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