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NKH 彼女のいない初めてのスーパーボウル

第58回スーパーボウルで両チームが着用するユニフォームが決まった。
4年前の第54回以来のスーパーボウルでの対戦は、あのときと同じユニフォームを着用して行われる。
しかし、カンザスシティ・チーフスのユニフォームには、あれから、新たなパッチが加えられている。
NKH、そう今回は、彼女のいない初めてのスーパーボウルなのだ。

49ersはホワイト&ゴールド

ホワイトジャージを着ることになった49ersは、ゴールドのパンツとの組み合わせ。
前回の対戦でチーフスに敗戦を喫するまで、スーパーボウルでは無敗のユニフォームだった。
いずれにせよ、彼らはホワイトジャージを着用するしかなかった。
選択権は、ホーム扱いのチーフスにあるからだ。

チーフスはレッド&ホワイト

チーフスにも、もはや無敗のユニフォームの組み合わせは残っていない。
第55回スーパーボウルで、Creamsicleの呪いから解放されたタンパベイ・バッカニアーズに敗れるまでは、赤のジャージは無敗だったのだが…

まあ、もはやユニフォームジンクスは存在しないことだろう。
両チームに所属した我らがジョー・クール・モンタナは、前回の対戦で見事に予言を的中させている。

NKH

今シーズンから、チーフスのユニフォームに新しいパッチが加わった。
NKH、それは、Norma Knobel Huntの頭文字。
それは彼女、すなわち、昨年亡くなられたノーマ・ハントのことなのだ。

あのラマー・ハントの妻であり、夫亡き後は子供たちと共同でフランチャイズのオーナーとしてチームを支えてきた彼女が亡くなった。違和感を感じるのは、その年齢だ。85歳だったということだが、どう見ても若々しい。

情報源: カンザスシティ・チーフスのスーパーボウルリング「3粒のダイヤモンドと新機能」 | ALOG

スーパーボウルの母

スーパーボウルと名付けたのは、夫のラマー・ハントだ。
彼が子供たちの遊んでいたスーパーボールによって着想を得たというのは有名な話だ。
そして、ダラスのおもちゃ屋さんで、子供たちにそのスーパーボールを買い与えたのは、ノーマ・ハントなのだ。

情報源: The Grand Lady of Sports

NFLの歴史を知れば知るほど、AFLとの合併がなければ、ここまでの隆盛を極めることはできなかったように思える。
その合併によってレベニューシェアを提唱するような有能なオーナーをNFLは得ることができ、AFLとの優勝決定戦という最高のボウルゲームを生み出すこともできた。
そのAFLをたちあげた夫を支え、子供たちを育て上げ、夫亡き後もフランチャイズを確固たるものとした彼女。
その敬意を表すのに、ユニフォームに名前を残すのは、至極当然のことなのだ。

ノーマ・ハント BOWL

彼女は、全てのスーパーボウルを観戦しているNever Miss a Super Bowl Clubのわずか4人のメンバーの中で、唯一の女性だった。
今年のスーパーボウルは、彼女のいない初めてのスーパーボウルになる。
敬意と哀悼の意を表して、ノーマ・ハント BOWLと名付ける以外の選択肢があるだろうか。

前回の対戦を、奇しくも僕はラマー・ハント BOWLと命名していた。
その年は、AFL設立60周年にあたる年だった。
それに何より、1984年にAFCのチャンピオンに渡されるトロフィーにラマー・ハントの名前がつけられてから、ようやくチーフスは創設者の名前がついたトロフィーを手に入れることができたのだ。
実に35年の月日をかけて。
居心地がいいのか、それ以来、トロフィーは、なかなかミズーリ州を離れようとはしない。

こうして、ラマー・ハントとノーマ・ハント、その夫妻両名のパッチをつけた唯一のユニフォームを着用することになったチーフス。
今年、絶対に負けられないのは、決して連覇がかかっているからだけではないはずだ…

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